【久しぶりの停電】暗闇の中で考えたこと

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多分10年ぶりの停電。

 

昨日の夜は九州全土(?)が暴風だった。

 

まぁそんなに大事にならないだろうと思っていたのだが、風呂に入ろうとしていたときにまさかの停電

トイレに入っているときに、電気が2回くらい暗くなったかと思ったらプツリと停電した。

 

風呂に入っている最中じゃなくてよかった。

不幸中の幸いである。

 

手に持っていたスマホのライトを付けて、リビングにいる家族の元へ。

こんな時のために、母が以前に買っておいたランタンが大活躍した。

 

 

このランタン、スゴいのだ。

部屋の中央に1台置くだけで、部屋中がかなり明るくなった。

 

もう夜遅い時間だったので、寝ながら停電回復を待つことにした。

とはいっても、まだ22時くらいだったので、全然眠たくなかった。

 

1人でリビングに残り、ランタンのそばで読書をした。

久しぶりに、ゆっくりと活字に向き合ったような気がする。

 

普段は夜の時間の大半をPCの前で過ごしているので、何だか新鮮な気持ちだった。

1週間に1度くらいは、こんな日があっても良いのかもしれない。

 

閉めた雨戸が風で始終ガタガタと揺れていた。

 

カーテンをつまみ上げ、そっと窓の外を覗いてみた。

すると、なんと向かい側の家は普通に電気がついているではないか。

 

しかしお隣さんやお近所さんは停電している。

どうやら私の家を含めた数軒のみが停電しているらしい。

 

我が家の付近だけ、全ての機能が停止したかのように真っ暗だ。

陸の孤島ならぬ、町の孤島である。

 

私の部屋の窓から見える1台の自販機も、その晩は暗夜に息を潜めていた。

近所のコンビニも停電していると聞いて、陳列されているアイスの心配をした。

 

こんなときに読書をしないで!

ランタンの電池が消耗するでしょーっ!

 

と母に怒られたので、読書をやめて寝ることにした。

こんなときだからこそ本が読みたいのに、とブツブツ小言を並べながら。

 

私の部屋の窓には雨戸がついていないので、その晩はリビングで寝ることにした。

1人で広い部屋の真ん中に寝転がる。

 

ランタンを消すと、一瞬で部屋が恐ろしいほど暗くなった。

広く深い暗闇の中で1人きり。私は色んなことを考えた。

 

人は暇だと考えなくても良い事まで考えてしまう、というのは本当だ。

電気がなかった時代、長い夜、人々は一体何を考えて過ごしていたのだろうか?

昨晩は、そんな下らないことを延々と考えていた。

 

現代人は忙しい。

無意識だとしても、いつだって常に多くの情報に触れている。

 

常に何かを考えさせられている。

心も頭も、余裕があるようで余裕がない。

 

私は元々、悩みやすく考え込みやすいタイプだが、ここしばらくは忙しい日々が続いたので、自分の心の中に意識を向けることが極端に減っていたように感じる。

 

多忙は余計な悩みや不安を払拭してくれる有難いものだが、その一方で、じっくり自分で考え向き合うべき事までをも拭い去ってしまう危険なものでもある。

 

だからこそ、たまには身の回りの一切の情報を遮断して、暗闇の中で1人きりになってみる時間というのも、私たち現代人には必要なのではないかと思った。

 

自分の思考が、自分の誕生から自分の死、宇宙の誕生から宇宙の死まで飛躍し、いよいよ収拾がつかなくなってきたとき、部屋の電気がパチリと点灯した。

 

電気がついたのと同時に、湯沸ポットや冷蔵庫がブォォォン!と唸り声をあげた。

一瞬で宇宙の端から元の生活に引き戻されたような感じだった。

 

約4時間の現実逃避。

停電が回復したのは夜中の2時すぎだった。

九州電力さんありがとう。

 

電気があるのとないのでは、生活にも心にも大きな変化が出るということを痛感した。

電気が私たちの生活に与えている影響の強さ大きさを、改めて認識することができた。

 

前回の台風で大きな被害を受けた千葉などでは、停電や断水が2週間も続いている世帯も多くあるそうだ。4時間の停電でも気が滅入りかけたのに、これが断水も加わり2週間も続くだなんて、そのシンドさは想像もできない。

 

復旧作業をしている作業員の方々もかなり大変でしょう。

1日でも早い回復を祈っています。

 

以上、私が停電中に暗闇の中で考えたことでした。